妊娠中のクラミジア感染における出産や胎児への影響

クラミジアというと、若い人がよくかかっている性感染症というイメージが浮かびますが、実は妊娠中の検針で、初めて自分がクラミジアにかかっていたことが判明することがあります。
なぜ妊娠中にクラミジアを調べるかというと、妊娠中のクラミジア感染は胎児に影響があるからです。

クラミジア感染症とは、クラミジアトラコマチスという細菌に感染することで起こる性感染症で、日本国内で最も患者数の多い性感染症です。
クラミジアに感染しても無症状のことが多いので、気づかないうちに感染を広げてしまう可能性があります。

妊娠している方の中で、妊婦検針によってクラミジアの感染が発覚するケースは3~5%を占めるとされています。
これだけの人が知らないうちにクラミジア感染症にかかってしまっているのです。
知らないままに、妊娠出産を継続させることは、母体だけでなく赤ちゃんにも危険を与えてしまいます。

クラミジア感染症にかかると、お腹の赤ちゃんにまで、影響が出てしまいます。
感染症が、母体からお腹の赤ちゃんへうつることを母子感染といいます。
母子感染には、赤ちゃんがお腹の中にいるときにうつる胎内感染、出産時に赤ちゃんが産道を通るときにかかる産道感染、授乳中に母乳を飲むことでうつる母乳感染の3つがあります。
妊娠中に胎内感染をしないように、妊婦検針で調べ、感染があった場合には赤ちゃんへの影響が出る前に治療しなくてはいけません。
何も治療せずに自然に治ることはありませんから、必ず治療することが必要です。

治療は抗生物質の内服です。
もちろん妊娠中に飲んでも大丈夫な薬が処方されます。
この抗生物質を、医師の指示通りに飲めば、クラミジア感染症は治ります。
きちんと治療して、早めに感染症を治しておかなくてはいけません。
自覚症状が消えたからといって、自己判断で内服を中止してはいけません。
医師が、完治している、という診断を出すまでは、指示通りに内服しましょう。

妊娠中のクラミジア感染は流産のリスクもある

クラミジア感染をしたまま妊娠を継続させている場合に、流産や早産を引き起こすことがあります。
クラミジアが妊娠している人の子宮頚管に感染することで、子宮頚管から上にクラミジアが上っていきます。
さらに奥の子宮へ入り、子宮の中で胎児を包んでいる絨毛膜や羊膜にも感染し絨毛膜羊膜炎を引きおこすのです。
その結果、これらの膜が薄くなり、ついには破れてしまいます。膜が破れてしまうと、子宮の中の羊水が外へ出てしまい、胎児が生きていけなくなるのです。

また、クラミジア感染症になると、子宮を収縮させるプロスタグランディンが出るようになります。
プロスタグランディンが出ると、子宮収縮か起こり、胎児が子宮から出され、流早産してしまうことがあります。

妊娠21週までにクラミジア感染症を発症すると流産、22週以降であれば早産となる可能性が高くなってしまいます。
妊娠中期からは抗生物質による治療を行えますが、30週までにクラミジアを完治できない場合、産道感染の可能性も出てきます。

出産時までにクラミジア感染症を治しておかないと、出産の際、産道を赤ちゃんが通る時にクラミジア感染症にかかってしまう可能性がでます。
赤ちゃんがクラミジアに感染すると、約25~50%の割合で新生児結膜炎になり、生後数日めやになどの症状が現れます。
また、約10~20%の割合で新生児肺炎にかかり、生後1~3ヶ月で咳などの症状がでてきます。
まだ体力がなく抵抗力も低い新生児期に、このような病気にかかってしまうと、赤ちゃんにはとても大きな負担になります。

赤ちゃんにこのような負担をかけないためにも、早めに感染症を治しておかなくてはいけません。
きちんとした治療をしましょう。